All Clouds Are Not Created Equal (日本語版)
最近多くの会社は、Google Appsと競争するクラウドサービスをリリースしました。IBM、Microsoftなどの会社は、最近自社のクラウドサービスを始めています。このような状況の中で、エンドユーザーはすべてのクラウドサービスは同じように作られているわけではない、と認識しなければならないと考えています。
今日は、ここでその理由について説明し、その後でクラウドのセキュリティについて検討してみたいと思います。まず強調したいのは、Google Apps、Amazon EC2、 SalesForceのようなクラウドサービス(ここではGoogleとGoogle Appsを中心に)は地球規模、分散型の大規模並列処理コンピュータであり、エンドユーザーから見ると、企業のサーバー(例えば、MS Exchangeのようなメールアプリケーションサーバ)と同じ機能であるということです。次に強調したいのは、クラウドサービスは破壊的な革新によって、既存のクライアント/サーバコンピューティング供給メーカー(例えば、Microsoft と IBMのような企業)にとって、たとえGoogleと競争できる地球規模のプラットフォームを作っても、クラウドサービスをビジネスとしてうまく導入するのはとても難しいということです。
クラウドは地球規模の大規模並列処理コンピュータである
Googleの地球規模のコンピュータは、過去7,8年間において企業のインターネット検索市場シェアが60%を超えるまでに発展されてきています。この期間内に、Googleは毎日対応しなければならない数億件の検索クエリーを1秒以内に処理できるような大規模並列処理コンピュータを徐々に構築してきました。また、この大規模並列処理コンピュータはソフトウェアとハードウェアによって構成されています。
最新のソフトウェア(Big Table、GFS、Map reduce)は、数億件の検索クエリーを並列し、単独でノンストップ、いつも利用可能なコンピュータのように配分して、処理します。このソフトウェアは、数十年間の大規模並列処理についてのコンピュータ科学研究と毎日百万人のユーザーのクエリー処理から得られた耐故障経験に基づいて開発されました。
ハードウェアプラットフォームは、数十個のデータセンターに分散されている何十万台のカスタマイズされたパソコンサーバによって構築されています。ひとつのデータセンターの構築費用は大よそ500万ドルが必要だと推定されています。これらのデータセンターはGoogle社の成長とともに、徐々に構築されてきました。この期間内において、Googleは一つのデータセンターに置かれた数十万台のプロセッサをまとめ、冷却する特許技術を開発しました。Googleのデータセンターは、世界中で最も環境にやさしい、省エネデータセンターのひとつであると言われています。
破壊的革新
最先端技術製品は、市場ニーズに合わせて、非効率な古い製品をリプレイスするためにリリースされます。革新は技術の進化を促進して、市場ニーズを満足させます。よくあるケースは、革新は徐々に増えて、技術とユーザーニーズをどんどん進化させる。このような革新は自主革新と呼ばれます。MS OfficeあるいはMS Exchangeの新バージョンのリリースによる自主革新の度合いは緩やかに伸びます。
徐々に増えていく自主革新に促進された製品は、だんだんユーザーの需要曲線からずれてきます。相次いでリリースされたMS Exchange製品には、一般的なユーザーはあまり使わない機能までもが搭載されています。MS Exchangeの機能の「行き過ぎ」は、自主革新が招いた製品の進化とユーザニーズの間の乖離を実証しました。支配的なベンダーの製品曲線がユーザーニーズの曲線からずれていく時に、別の製品(例えば、Google Apps)は、ユーザーニーズ曲線の下、ある点で超える別の曲線に沿って徐々に上ってきて、既存製品をリプレイスしようとしている。
ウェブが始まる頃からずっと利用されている企業用ウェブベースのASPサービスは、この2~3年に、もうユーザーニーズに合わなくなってきています。ところが、ブロードバンドの普及と、進化してきたAjax・Web 2.0によって突如としてWeb ASPサービスを多くの企業ユーザーのニーズに合わせられるようになりました。
Google Appsはより安いコストでMS Exchangeアプリケーションのコア機能を提供できるようになったのです。今、Google Appsは企業ユーザー用のMS Officeをリプレイスする準備をしています。
クラウドサービスが既存ベンダー(MicrosoftやIBMなど)にもたらした脅威を考えますと、これらの会社は、自分のクラウドサービスで競争に勝ち残るのは可能なのかという疑問が生まれます。「イノベーションのジレンマ」という本の中に、Christensenはこう論じています。「既に自社の製品が自主革新曲線にしたがっている企業が、競争的な破壊革新曲線に移動するのは難しい。」主な理由としては、新システムに移行することがその企業の既存文化と相性が合わない価値とプロセスをも導入することを意味しているからであります。MicrosoftはExchangeによって非常に高い利益を得ています。その高利益の商売は、企業販売文化のコア価値であります。従って、高い利益率のMicrosoftパッケージ販売文化にとって、新しい低い利益率のクラウドサービスの文化を採用するのは難しいのです。Christensenは、「既存の企業は、組織の中に、破壊的技術製品を新しく作られた完全な独立な組織に分離できてこそ、勝ち残ることは可能。」と述べている。
一般的に、既存ベンダーは既存製品の高収入・高利益を保つために、ハイブリッドのソリューションを提供する、今回の場合は、クライアント/サーバと兼用できるクラウドソリューションを指している。しかし、そのような複合型ソリューションは、コストパフォーマンス面で、Googleクラウドのような単純な破壊的革新に勝つのは難しいのです。